skip to Main Content

台湾のススメ(其ノ三)日帰りデートスポット九份


さて、3月15日が締め切りの国民義務を何とか終了し、
やっと人心地がしております。

台湾への旅、第三弾は、台北から日帰りでも行ける観光地、九份をご紹介。

大きな地図で見る
九份(ジウフェン)は元々山の中腹に出来た金鉱の町。
急な斜面に家が立ち並んで、坂道の多い独特の景色が生まれました。
金が採れなくなると寂れて、忘れられたような状態に。

しかし、時が経ちこの町の魅力が再び見出され、
「非情城市」という台湾映画の舞台となったお陰で一大観光地化。
更に、この町と茶芸館が宮崎駿の映画「千と千尋の神隠し」の舞台モデルになったと
言われたことから、日本人観光客がどっと押し寄せるようになりました。

亀時間に宿泊した台湾人のアヤさんもお勧めだったので、
通常の日帰りでなく一泊してみることに。
ただし、昨年台湾に行った亀時間のIT事業部長スミに言わせると
「九份は江ノ島ですね・・・。」
どの辺りが江ノ島なのか、行ってみて確かめましょう。

前回紹介した立地便利なスターホステルをチェックアウト、
昼前に台北駅から電車に乗って出発です。
駅弁を買ったので、ボックス席を勝手に期待したのですが、
残念ながらすべて普通の横並びシート。

旅情はちょっと少なめですが、駅弁食べました。
こちら素食と呼ばれるベジタリアン弁当。
台湾は日本と同じで何でも食べますが、
仏教の影響で素食も普通にあちこちで売っているので、
肉がダメな人にも優しい国です。

車内には台湾人の若いカップルが目立ちます。
九份が台北っ子の人気デートスポットだということが良く分かりました。
1時間も経たずに、九份への起点となる瑞芳駅に到着。
今日はあいにくの雨。ここからバスで九份に向かいます。

予約した宿の人から、駅に到着したら連絡をくれ、
と司令を受けていたので電話すると、
迎えに来てくれるというではないですか。
これは嬉しい誤算です。

宿の主人が運転する軽のワンボックスに乗りこみ、
山あいをどんどん登っていくと霧が立ち込めてきました。
晴れていれば遠くに海を眺める雄大な景色が広がるはずですが、
今日は望むべくもありません。

宿に到着し、部屋に入るとビックリ。
日本の田舎の寂れたラブホテルのような(行ったことないですが)
ラブリーな空間が展開しているではないですか。

ピンクのハート柄カーテン。



空虚な空間を埋めるように並べられた人形たち。
UFOキャッチャーで集めたような脈略のなさ。
ここにいるだけで、ゲンナリしてきます。
HPで見たときは素敵な部屋に見えたんだけどな・・・。
凄腕のWebデザイナーがいたものです。
室内は清潔だけど、これで2,000元(約6000円)はちょっと高い。

「出来るだけ遅く帰って、寝るだけにしよう。」
と心に誓い、気を取り直していざ観光へ。
基山街と呼ばれる通りがメインストリートです。

沢山のお土産物屋と食べ物を売る店が軒を連ねています。
まんじゅう、巨大エリンギの串焼き、牛肉麺、
ソーセージ、サメの肉団子スープ、などなど。

そして一番人気の芋スイーツ。
狭い通りは団体観光客が押し寄せる度に賑わいを見せます。
試食をして買ってもらおうと「食べて、美味しいよ」
と、左右から店員の手が伸びてきます。
しかもみんな日本語が上手です。
平日でもこの賑わいですから、週末は原宿竹下通り状態なのでしょう。
IT事業部長スミが「江ノ島」といっていた意味が分かりました。

通りの一番端まで行くともう昔ながらの寂しい景色がそのままに残されていました。
チベット国旗がはためくお寺があったので、訪問してみましたが、
人の気配もなく、中にも入れず。ちょっと怖いくらいに静かなので、
仕方なく来た道にUターン。


坂道ばかりのこの町ではクロネコさんもバイクです。

全長500m程度の基山街しか行くところがないので、
結局4往復もしてしまいました。
この町のレストランはどこも台北の倍くらいの値段がするので、
入る気になれず、夕飯は適当に食べて済ませ、
茶芸館でゆっくりすることに。

この町のハイライトは、基山街の真ん中にある豎崎路という階段の坂道と
中腹にある茶芸館、「阿妹茶酒館」です。
ここで写真を撮れと言わんばかりの場所。
このページのトップの写真がそれ。
坂道にピンク色と赤の提灯がぶら下がり、
お店の明かりと絡みあってここにしかない空間を創り出しています。
雨に濡れた石畳もいい感じに明かりを反射しています。


もう一つはこの茶芸館の風景。


夜も更けて、この町にも本来の静けさが戻って来ました。
野良猫たちも、ここは元々俺達の場所だぞと言わんばかりに、
あちこちで自由に闊歩しております。


昼間は霧のせいで外界から閉ざされたように感じて重苦しかったのですが、
夜になるとそれがかえって神秘的な雰囲気を醸し出しはじめました。
これぞ宿泊した者のみに許される貴重な時間です。

一日の締め括りは、茶芸館での喫茶。
着席するなり、店員さんから「集合時間はありますか?」
と日本語で質問されました。お客様の多くが団体観光客なようです。


店員のお姉さんはお茶の入れ方を日本語で説明してくれるのですが、
バスに帰る時間を気にして急ぐ団体観光客に対して
何千回とこの説明を繰り返して来た為に、
異常なくらい早口になってしまっており、
もはやこちらの耳に入って来ません。
このスピードに対抗できるのは
世界中を探してもスキャットマン・ジョンくらいかも。
ちょっと古くてすいません。


テーブルの脇に置かれた急須からお湯を継ぎ足し、継ぎ足し、
ゆっくりと台湾式に烏龍茶を飲みながら、
茶菓子をつまみながら過ごす一時は、
台湾に来て良かった、と噛み締められるいい亀時間でした。

寝るために仕方なく宿に戻り、旧式のコンピュータを立ち上げて、
Facebookを開き九份の宿についてボヤくと、
台湾に1年滞在したことのある昔の旅友達から返事が。
「マサさん、九份は確かに趣きありますが、
観光化されていて、宿もレストランも台湾の標準より高めです。」
そのアドバイス、先に聞きたかったよう。
海が見られればまた印象も違ったのでしょうが、
なんとこの地方は一年の約三分の二が雨の日とか。
海が見られないなら日帰りでもいいかも・・・。

次回は九份から特急電車に揺られて約4時間、一気に台南へ。

<MASA>

Back To Top