skip to Main Content

マレーシア・ペナン島の奇祭「タイプーサム」


※この記事には苦行の様子を写した写真があり、不快に感じる方もいるかもしれません。
心配な方は閲覧をご遠慮お願いします。

先月、亀時間の冬眠期間にマレーシアのペナン島へ行ってきました。
イギリスの植民地時代から貿易拠点として栄えたジョージタウンに
滞在したところ、たまたまインドのお祭り「タイプーサム」に遭遇。
今回はその模様をお届けします。

タイプーサムはヒンドゥー教の神、ムルガを称える南インド発祥のお祭り。
毎年ヒンドゥー暦の10番目の月の満月に開催されます。
インドやスリランカ、モーリシャス、マレーシア、シンガポールなど
タミル人が多い地域を中心に行われているそうです。

激しい苦行をすることで世界の奇祭として有名ですが、
インド本国ではタイプーサムの苦行は禁止されているので、
それが見られるのはシンガポールとマレーシアだけ。
ペナンのタイプーサムは3日間かけて行われ、一年の中でも最大級のお祭り。
島中の人々と島外からの観光客で賑わいます。


初日は街の旧市街、ジョージ・タウンの寺院から、ムルガ神を載せた銀色の山車が出発して
繁華街を練り歩きながらヒルトップムルガン寺院へと15時間かけて向かいます。
ここは街のランドマーク、コムターの麓あたり。交通止めして山車がゆっくりと進みます。


孔雀の羽根で飾られたミニ神輿を担ぐ男性たち。


山車は二頭の牛が引っ張っているのです。
晴れ舞台とあって、牛もおめかししています。


信者たちは果物や花を山車のムルガ神に捧げ、ココナッツの実を地面で叩き割って行進の道を清めます。


通りに描かれた曼荼羅。


大変興味深いのは、ここペナンでは中華系の人たちもヒンドゥーのお祭りに参加していること。
文化のミクスチャーがかなり進んでいます。


そしていよいよタイプーサムの本番当日。
信者が参拝に向かうくムルガン寺院に近いウォーターフォール通りでは、
道を埋め尽くすように沢山の出店が立ち並び、お菓子、食べものから宗教グッズ、
子供のおもちゃまで売られてそれは大変な賑わいようです。

通りではヒンディー音楽があちらこちらのスピーカーから濁流のように流れて渦を巻いています。
僕の人生で過去最大ボリューム、耳をつんさぐ爆音です。
帰りにタクシーの運転手さんに愚痴を言ったら、
「それは君が信者じゃないからだよ。」と冷静にいなされました。


色とりどりのインドのお菓子。飛ぶように売れています。

さて、ここからいよいよ苦行シーンの登場、閲覧注意です。

男たちは祭りの前から禁欲生活を過ごしたのちに、
トランス状態で苦行に挑むので痛みを感じないと言います。
彼らは苦行をすることで、神々への信心と献身を示します。


苦行者とともに行進する楽隊。このモヒカン青年はとてもグルーヴィーなリズムを叩いていたので、
周りの人たちも一緒に踊っていました。


中華系の人たちもこの苦行を行います。


カバディーと呼ばれるとても重い御輿を担ぐ苦行者。しかも踊ります。


痛い!見ているだけで痛い!背中に無数のフックを付けて従者を引く苦行者。


鉄串を頬や舌に通した苦行者。子供の頃、舌を切ったら人は死んじゃうんだと教わりましたが・・・。


捧げもののミルク壺を鈴なりに括り付けている苦行者たち。


山麓の寺院。


重い神輿を担いだ男性たちも山の中腹にあるムルガン寺院を目指して500段の階段を上っていきます。
炎天下、あまりの混雑で全く先に進めずに途中で僕は断念しました。


麓の寺院境内では信者たちへご飯が振舞われています。
バナナの葉のお皿にそそられて、列に並んで食べてみましたがとても美味しかったです。


とどまるところをしらない参拝客たちに振舞われるご飯の山。

祭りの最終日は山車が夕刻から出発して翌朝に再びジョージタウンの寺院へと戻っていきます。

写真でみるとかなりどぎついのですが、祭り自体の雰囲気はいたって平和。
道は舗装されているから綺麗だし、家族連れが多く治安もいいので、
インドの奇祭クンブメーラのようなカオスはありませんでした。

グルメの街として名高いペナン島の熱い祭り、タイプーサム。
気軽に参加できますので興味あるかたは是非どうぞ(笑)。

<MASA>

Back To Top