宿直つづみの鎌倉おいしいもんレポート ~なみまちベーグル編~
ベーグル、お好きですか? 私は地元・大阪にいた頃に初めて食べたベーグルにあまりいい思い出がなく、しばらくは縁遠い食べ物でした。固くて、食べにくくて、よくわからないドーナツみたいなもんなのかなあ、と。今回は、そんな私の価値観を180度ひっくり返してくれたベーグル専門店を紹介したいと思います。
どどん。それがこちら、素敵な和あふれる建物、なみまちベーグルさん。目の前の小道を通り行く人達が「なにここ、かわいい~」と声を揃えてしまうくらい、外装がとにかくかわいいんです。元々飲食店を営んでいた、築100年を越えた古民家を改装したんだそう。
ベーグルがなみのりでもしているんでしょうか。
のれんに描かれている手書き風のイラスト、とてもゆるくてかわいらしいです。
改めて、今回私が伺ったのは去年2018年の9月にオープンした鎌倉唯一のベーグル専門店、なみまちベーグル。元々は由比ガ浜エリアで「神出鬼没の小さなベーグル屋」として移動販売を行っていたのですが、虜になる人は数しれず。なみまちファンの方々には待望の店舗進出だったとか。冒頭の外観写真は私が初めて9月の後半に訪れた時の写真です。雨に降られた花々が美しいですね。ちなみに、私が鎌倉にやってきたのも去年の9月。同じ鎌倉歴なんだなあと思うと勝手に親近感を感じちゃいます。
場所は江ノ島電鉄長谷駅からだと徒歩五分、食パン専門店BreadCodeの脇道を入っていったころにあります。
海へはほんの数分歩くだけ。坂から見下ろす海は、格別ですよ。
さきほどの可愛らしいのれんをくぐって店の中に入ると、すぐ右手にあるショーケース、ずら~りたくさんのベーグルが並んでいます。どれもこれも、ころん、としたフォルムがなんともいえません。奥のほうには工房もあり、午前10時ごろに焼きたてが並ぶんだそう。店員さんの朗らかな感じと相まってついついたくさん買いたく……なりますが、今日は大人しく空いている席に座ります。席数は多くもなく狭くもない程よい感じです。
私が頂いたのは『スモークサーモン&バジルクリームチーズセット』。ベーグル一つ、サラダ、スープ、ドリンク、のセット。ベーグルサンドのメニューは五種類と豊富で、セットか単品かを選ぶことができました。
それに加えて食いしん坊な私は中にあんこが入った『小倉あん』ベーグルを乗せてもらっちゃってます。
ベーグルサンドには、あらかじめ、「どうぞかぶりついて、召し上がれ」と言わんばかりの包み紙付き。かぶりつくことを躊躇してしまうほど静かな雰囲気でもなく、ひとりの時間も心地よく過ごせそうな、また数人で来てもくつろげる印象を受けました。この日は、隣でママさんたちが井戸端会議をしていたり。外には自転車が停められるスペースもすこーしだけあったので、子供連れでも気軽にくることが可能そうですね。
ベーグルサンドは注文を受けてから作り上げるスタイルで、中はもっちり、外もカリッとしすぎない、全体的にふんわり優しい食感。これで卵、牛乳、バター不使用というのですから、もう食べ始めると止まりません。初めてベーグルを食べた時とは表情からして違っていたことでしょう。食べ終わる前に「また食べたい!」とさえ思ってしまうほど。手作りのポタージュスープもかわいい器に入れられており、体に対する優しさがたくさん詰まっていてとても美味しかったです。
ここで、見逃せないのがドリンクの容器。
てっきりグラスで運ばれてくるのかと思いきや、なんと、紙コップで出てくるんですね。近くに海があるということから、持ち帰れるようにという優しい気遣いだそう。天気が良い日には飲み残したコーヒー片手に海でボーッとするのもいいなあと思いました。ドリンクならトンビに持っていかれることはありませんからね。
ベーグルの美味しさもそうだけど、ベーグルを身近に感じさせてくれる、ベーグルっていいもんだよ、みなさんよかったらどうぞ? そんな雰囲気がふわふわ漂っています。空間も、ベーグルも、大好きになりました。3月末に開催予定のパンイベント『鎌倉パン時間』でも、なみまちベーグルの美味しいベーグルをみなさんに食べていただける予定です(ありがたいことに満席となっております。嬉しい!)。
ぜひ鎌倉に訪れた際は、路地裏を探検しつつ、こちらのお店、ちらりと覗いてみてはいかがでしょう? もうすこし暖かくなれば、鎌倉ならではのしらすを乗せたベーグルサンドも、食べられるかもしれませんよ。
以上、宿直つづみ、でした。
<TSUZUMI>