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喜泉庵で枯山水庭園と抹茶に心洗われる

青空澄み渡るキリっと冷えた朝、最後の紅葉を見に行こうと思い立って、名越緑地から巡礼古道を経て報国寺へと向かいました。途上の公園ではちょうど見頃を迎えて黄色や赤に染まった紅葉に目を奪われました。山を登り始めてから宅間ヶ谷へ下ること30分で報国寺に到着。銀杏は半分以上葉が落ちていましたが、山門をくぐると紅葉はちょうど見頃。竹の庭で一服しようと考えていたのですが、11時前なのに観光客が一杯でとてものんびり過ごせそうにありません。

参拝意欲を無くしてどうしようかと思案していたら、妙案を閃きました。すぐ近くの浄妙寺にはまだ行ったことが無かったのです。滑川を越えて反対側へ徒歩3分で到着。浄妙寺は真言宗の寺として1188年に創建されましたが、13世紀に臨済宗の禅寺となり、鎌倉五山の第五位に位置付けされている格式高いお寺です。駐車場にはとバスが駐車しており、グループ参拝客もいましたが、境内がそれなりに広いのでむしろ閑散とした印象。鎌倉観光の穴場的存在となっています。

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大きな青銅屋根の本堂と黄色くなった大銀杏が迎えてくれました。

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境内の奥には室町幕府を開いた足利尊氏の父、足利貞氏の墓と弟である足利直義の墓があります。

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多くの参拝客がチラ見だけして立ち去っていきましたが、このお寺の最大の魅力は1991年に再建された茶室、喜泉庵にあると思います。

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テーブル席と座敷が選べますが、座敷には電気カーペットが敷いてあり、冬でも居心地が良かったです。

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お喋りに講じていた女性陣が去ると静寂が訪れました。気忙しい師走の日、目前に広がる枯山水庭園を眺めて心を静めることができました。この小さくも見事な庭は京都の曽根造園によって作庭されており、年に二回は手入れにやってくるそう。

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歩き疲れた後の抹茶と和菓子は身体に染みました。600円の干菓子と抹茶のセット、1000円の生菓子と抹茶のセットが選べます。

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床の間に飾られた書が読めますでしょうか?且座喫茶(しゃざきっさ)と書いてあります。「まあ座ってお茶でも飲みましょう」という意味だそうですが、茶道の基本にある禅の精神が現わされています。

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浄妙寺への訪問は初めてでしたが、お気に入りのお寺となりました。鎌倉広し言えども、こんなに落ち着いてお茶と庭を味わえる場所はなかなかありませんよ。もし海外からの友人が鎌倉にやってきたら、有名な場所は避けて真っ直ぐにこの茶室に連れて行きたいと思います。抹茶を飲みながら、禅の庭を素晴らしさを味わってもらいたいのです。庭には水琴窟があって、長い竹筒から音が聞こえるようになっているのですが、その音があまりにディープで別世界に連れていかれそうになりました。用心してください(笑)。

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ちなみに浄妙寺の境内には藤原鎌足神社がひっそりと佇んでいます。
藤原鎌足がこの地に鎌を埋めたことが、地名「鎌倉」の由来であるという説の根拠となる神社です。
鎌倉はここから始まったのかもしれませんよ!

末筆ながら喜泉庵について丁寧に教えていただいた茶室にお勤めの女性にお礼申し上げます。

●浄妙寺

住所;神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-31
行き方:鎌倉駅東口5番バス乗り場からバスに乗り、浄明寺下車。
Tel:0467-22-2818
拝観料: ¥100
開門時間: 9:00 to 16:30 (喜泉庵 10:00~16:00)
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<MASA>

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