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亀時間のダークサイド あるいは梅雨対策

昨年、亀時間オープン前の改装では、
二週間に及ぶ屋根裏の掃除という想像しない作業が待っていました。
屋根裏は暗い、狭い、埃っぽいの三重苦で、作業は困難を極めましたが、
助っ人たちの活躍で何とか隅から隅まで綺麗に掃除完了。

亀時間のダークサイド。それは天井裏だけではありません。
床下にも暗黒の世界が広がっています。

よくお世話になっている鎌倉のリサイクル促進ウェブサイトで
先日発見したのが、床下用除湿剤3袋合計30kg。
ようするに、お菓子の袋に入っているシリカゲルなのですが、
環境にも優しい素材でこれを床に撒くと除湿に効果ありとのこと。
昨年の梅雨は、ドミベッド小と八畳間の押入れが湿っぽくて
改善案を探していたので早速頂戴しました。

入手したは良いものの、どうやってこれを床下に撒くのかを考えていませんでした。
建物横の開口部から入るか、畳を全て外すか、二つに一つなのですが、
畳を全て剥がすのは至難の業。消去法で開口部から潜入することに。


床下は屋根裏以上に困難な作業場所でした。
地面と床の隙間はたったの50cmほどの高さしかなく
ほふく前進でしか動けません。

床下では暗い、狭い、湿っぽいの三重苦が待っていました。
床上にいるスタッフの楽しそうな笑い声が、別世界のように遠くに聞こえます。
ジメジメとした床に触れているうちに、だんだん体温を奪われて
気が遠くなり、土の地面と一体化してしまいそうな錯覚に陥りました。

第一次作業では除湿剤を2袋、散布箇所に運び込んだものの、
床下にも竹が蔓延っていることが判明!!

ブルーシートを敷いてから除湿剤を散布する予定でしたが、
竹を切断してからでないと敷けません。
一度ノコギリを取りに外に戻って、一本一本切っていきます。

狭い空間では思ったように作業が進みません。
大体切ったところで、すでに1時間以上は時間が過ぎており、
気力の限界を感じて脱出。
外界に出られたときの安堵感といったら、
まさに「シャバの空気は美味いぜ!」でした。

その後何もしないまま、1週間以上放置。
またあの暗い世界に行くのかと思うと、気が進まないのです。
しかしこの作業を終えないと庭作りも先に進みません。

天気の良い日に決意を固めて第二次作業を開始。
今回はレッドカーペットならぬブルーシートを地面に敷きながらほふく前進。
お陰で身体が湿気にあてられず、不快感が減少しました。

こちら本邦初公開、八畳間の床柱の根っこです。

ブルーシートを二重に敷いて、壁にガムテープで貼り付けます。
手が届かないので棒を使ってテープを貼るという至極困難な作業。

いよいよ除湿剤の散布です。
おもむろに袋にカッターの刃を差し込みます。


昔の刑事ドラマよろしく、粉を一嘗めして「ヤクだ!」と叫ぶシーンが
心のスクリーンをよぎりますが、その冗談を共有できる仲間はいません。
孤独な作業です。

心優しい亀時間のスタッフたちは、そんな僕を励ますべく応援してくれるどころか、
落ち込みそうな暗い音楽をかけて、床下気分をさらに盛り上げてくれます。

そんなとき、君は一人じゃないよ、と現れたのがこちらの生きもの。


コオロギくんです。
星のお王子様の前に現れた狐のようでした。
初めて人間を見るのか逃げようとしません。
暗い世界で弱音を吐かず無言で生きているコオロギに勇気づけられて、ラストスパート。
全ての除湿剤を床下にぶちまけます。


ヒットアンドランで、作業を終了して即時撤退。



スタッフのロミちゃんがロッキーのテーマをスマートフォンから流して、
暗黒世界からの帰還を盛り上げてくれました。


これで亀時間の梅雨対策は万全です。
万全なはず。
万全だといいな・・・。

<MASA>

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