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鎌倉文学館を訪ねる

明治から大正、昭和にかけて鎌倉は夏目漱石、川端康成、芥川龍之介など、
鎌倉文士と呼ばれる作家たちが街を闊歩していた時代がありました。その総数300人以上。
鎌倉を代表する観光名所の一つである鎌倉文学館は旧前田侯爵家別邸の立派な洋館に、
彼らの直筆原稿や手紙、愛用品などを収集、展示してあります。

と説明したところで実はここだけの話、僕はまだこの洋館を訪れたことがありませんでした。
文学嫌いな訳ではないのですが、文学を深く理解して愛する頭を持って生まれていないんだと思います。
でも宿の主として鎌倉を案内する立場にある以上、知らないでは済まされません。
そこで先日コッソリとデビューしてきましたので報告します。

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まず建物へ向かう緩やかなカーヴの坂道をとても気に入りました。
紅葉の緑葉でトンネルのようになっており、秋も楽しみな場所。
ちょっと別世界に向かうような演出を設計デザインに感じます。
三島由紀夫もここを取材して本の舞台として登場させているそうです。

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もはや鎌倉名物となった台湾リス。ムクドリと喧嘩していました。

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旧前田家別邸の立派な門。現在は閉ざされています。

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現役で活躍されている鎌倉在住の作家、高橋源一郎さんの協力による特別展、
「明治、BUNGAKUクリエイターズ 高橋源一郎『明治文学盛衰史』」は7月8日(日)までやっていますよ。
明治という激動の時代に文豪たちがどうやって新しい文学を築いていったのかを高橋さんの視点で解説してくれていますが、ただ回顧するだけでなく現代も激動しているから彼らから学ぶことがあるのではないか、という狙いが込められています。
恥ずかしながら、高橋さんの作品はあまり読んだことがないんですが、彼の人生相談コラムのファンです。

さあ、早速館内を見学しましょう。
残念なことに館内は撮影禁止ですので、洋館の見事な内観をご案内出来ないのが残念です。
展示されている文豪たちの直筆原稿を見て、まずは綺麗な字を書く人が多いことに感銘を受けました。
当時は習字をすることが今よりも学問の基礎として重要視されていたからな、
と字の下手な自分に言い訳。亀時間スタッフの間でも一二を争うくらい下手なんです。
手書きの字は性格が表れますよね。夏目漱石の細く細かい字を見て、やっぱり神経質だったのかなとか、
石川啄木に直筆で生活が苦しいとか伝えられたら、こっちまで苦しい気持ちになるなあとか想像するのも楽しいです。
直筆には書いた本人の精神がいつまでも宿っているように思います。
原稿を見ているうちに、文豪たちが教科書に載っているどこか遠くの人たちではなく
1人の人間としての存在が確かに感じられて距離が縮まったように感じました。
そして現代よりも短い生涯を終えた文豪たちが多いことにも気が付きます。
その太く短い情熱的で個性的な人生と比べて、自分たちの人生は薄っぺらくはないでしょうか。
ああ、人と比べちゃいけなかった。僕たちはナンバーワンよりオンリーワンです。

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鎌倉三大洋館の一つ、旧前田家別邸。

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この日は曇りだったので分かりずらいのですが、広い庭からは海を眺めることができます。
お弁当を持って訪れる親子の隠れ人気スポットです。

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鎌倉文学館は一年を通じて開館していますが、一番訪問者が多くなるのが今、バラの季節。
広い庭の一角に200品種が植えられて丹精込めて育てられています。
巨大なバラから小さいバラまで咲き乱れておりました。
バラ祭りは今週末6月10日(日)までですよ。
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庭の片隅には明月院を彷彿させる青い紫陽花も咲いてました。
水を差すようですが、僕はバラか紫陽花かと問われれば紫陽花派です。

この場所は長谷の谷戸に位置しており街の喧騒からも遠く、この日もただウグイスの声だけが響いていました。
静かな時がいつでも流れており、心が穏やかになります。
今は亡き文豪たちの息遣いに耳を傾けるために訪れるのはもちろんのこと、
1人になって考えごとをしたいとき、落ち着いた時間を過ごしたいときにも訪れたい場所です。

●鎌倉文学館

開館時間: 9:00~17:00(3月~9月)、9:00~16:30(10月~2月)
休館日:月曜日(祝日は開館)他
住所:神奈川県鎌倉市長谷1-5-3 
TEL: 0467-23-3911
ホームページ:http://www.kamakurabungaku.com/

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