鎌倉の桜 2018
今年の鎌倉の桜は天候に恵まれてとても綺麗です。
ただいま満開を迎えており、平年よりも少し早いです。
本日撮りおろしの写真と共に、材木座を中心に鎌倉の桜スポットをご紹介します。
光明寺
光明寺は桜を鑑賞できるお寺としては鎌倉でも随一ですが、いつも混んでおらずのんびり過ごすことができます。亀時間から徒歩七分です。
写真上部の山々をよく見ると山桜が咲いています。
長勝寺
長勝寺は亀時間から徒歩10分。このお寺は毎年2月11日に行われる修行僧の荒行、大国祷会成満祭で有名です。千葉の法華経寺で100日間の修行を終えた僧たちが、ふんどし一丁姿で冷水を頭からかぶり修行の仕上げします。
染井吉野はいまや全国に広まっていますが、元々は江戸時代に生まれた品種です。全て一つの木から出来たクローンなので、隣り合う木々同士が自分だと勘違いして、枝を遠慮なく伸ばしあうので、写真のように密に重なり合います。
妙本寺
妙本寺は鎌倉駅から近いのに鎌倉らしい落ち着いた風情を感じられるお勧めのお寺です。
ここも日蓮宗のお寺なので日蓮上人像が建っています。この谷はもともとは源頼朝の家臣だった比企一族のものでした。しかしながら、北条氏の策略により一族は2歳の末子1人を残して、全員滅ぼされてしまいます。 大人になって鎌倉に戻ってきた末子、比企能本は日蓮に出会い帰依をします。そしてこの地に法華堂を建てたことが妙本寺の由来となっています。
訪れると妙本寺の桜はすでに散り始めていましたが、代わりにピンクが濃い海棠の花が満開でした。
このお寺の海棠には有名な逸話があります。詩人中原中也は同棲していた恋人を友人であった評論家の小林秀雄に奪われてしまいます。そのことが原因で以来絶交していたのですが8年後、鎌倉の扇ガ谷に住んでいた小林の近所に中原が越してきたことから、このお寺で再会することに。夕暮れ時、過去の遺恨の清算をすべき二人は、しかしどちらからも声が掛けられず、ただ美しく散っては落ちてゆく海棠の花を眺めるのでした。しびれを切らした中原はもういいや、と話し合いを諦めて二人は鶴岡八幡宮の茶店に行き、ビールを飲み交わします。友情が復活した二人でしたが、すでに病気だった中原はその半年後1937年に亡くなってしまうのでした。
段葛
鶴岡八幡宮への参道、段葛は1182年に源頼朝が北条政子の安産を祈念して作られました。当時は高貴な位の人間しか歩くことを許されなかったそうです。桜の木は100年前に植えられましたが寿命を迎えて、2016年に植え替えられました。まだまだ若木なので本格的な満開を楽しむにはあと10年はかかるかもしれませんね。
昔は一の鳥居まであった段葛は明治時代に横須賀線が敷かれたときに現在の長さ465メートルに縮められたそう。造られた当時から、遠近法を用いて道幅をだんだん狭めることで、海から参拝に来た人にとって八幡宮がより遠くに見えるような工夫がされていました。
今週末までは鎌倉も桜が楽しめそうです。
来年の桜はどのようになるのか、今から楽しみです。