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2月29日に開催された「柿右衛門農園さんを囲んで野菜ごはん」の模様を報告します。コロナウイルスの影響が拡大する中、ギリギリまで開催是非を検討しました。しかし、「食の大切さ」という人の基本を知ることは、こんな機会だから尚更意味があるだろうこと、休校が始まるなら家庭での手作りの食事が大切になるだろうと、出来る配慮はしながら開催を決定。柿右衛門農園の採れたて野菜のお土産だけでなく、レシピもプレゼントさせていただくことにしました。

当日は参加のキャンセルもほとんどなく全員集合。
まずは今回柿右衛門農園さんの野菜の素晴らしさを伝えたいと、企画したCafe Kamejikan店長ゆうりから挨拶。
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野菜そのものの美味しさが分かるように生の大根と人参をオリーブオイルと塩で、そして牛蒡の素揚げを食べながらイベントを開始。やはりスーパーの野菜とは一味違い、どの野菜も味わい深かったです。

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続いて、柿右衛門農園さんの自己紹介。柿右衛門農園という屋号を聞いて、江戸時代から連綿と続く農家さんだと勝手に思っていた参加者も多かったのですが、実は2014年に脱サラして就農されたヤングなご夫婦。旦那さんのよっちゃんがサラリーマンだった頃から、自分に合う仕事を模索する中で次第に農業に興味を持ち、最後は勢いで転職されたとのこと。脱サラしたのは、ちょうど奥さんのえっちゃんがご懐妊中のとき。大きなお腹を抱えて家を借りたという話を聞いて、柿右衛門農園の野菜を使う近所の美味しいカレー屋、香菜軒さんも「うちもお店始めるときちょうど息子が出来たんだよ」といきなり涙腺が緩みそうになっていました。実は僕が亀時間を始めるときも息子が生まれたばかりだったので、心の中で密かに「亀も一緒です!」と共感していました。

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ご縁で藤沢に農地を借りられることになり、少しずつ農地を開墾していき、7年目の現在では東京ドームのグラウンドと同じくらいの広さの面積を、ときにお手伝いの手も借りながらも1人で50種類以上の作物を育てられているそう。仕事は夜明けから日暮れまで畑で作業するよっちゃんと販売、配達や商品開発、イベント企画を担当しているえっちゃんの二人三脚で行われており、多忙な毎日を送られています。

無農薬・無化学肥料で育てて、固定種の栽培にも注力していますが、そこにこだわるというより、自分たちが食べて美味しい野菜をみんなに届けたいという想いがあり、美味しいならF1種も栽培しているそうです。種は育った野菜の中から優良種を選定し、交雑しないように手間をかけているのだそう。遺伝子組み換え作物を売る企業の都合で、世界で種の危機が今まさに進行中ですから、このような地味な取り組みが僕たちの未来を救ってくれるのだと思います。

1人での農作業、草取り、手間と場所を余計に取られる種取り、天候や気温を気にしながらの試行錯誤、昨年の台風で被害を受けたことなど、こちらが聞いているとどうみても大変な仕事にしか思えないのですが、畑の話をしているときのよっちゃんの満面の笑顔がいつも最高なのでした。やはり人は好きな仕事をするのが一番なんだな、と再確認できた瞬間でした。

一通り、お話を伺った後、参加者の皆さんから、イベントに参加した理由や聞きたいことを順番に話していきました。このような趣旨のイベントだから皆さん温かい心持ちを持った方ばかりで、とても和やかに会話に花が咲きました。

柿右衛門農園の野菜を使ったご飯の調理はCafe Kamejikan店長ゆうりが担当。メニューは里芋と長ネギの春巻き、かぶベーコン炒め、大根ナムル、かぶの葉おひたし、菜の花のごま和え、ごぼうのトマト味噌煮。素材の美味しさを生かすように考えたのゆうりのレシピと柿右衛門農園のえっちゃんのお薦めレシピが一緒になって盛られました。美味しいのは勿論のこと、目の前に作った人がいる野菜を食べられるって、本当に幸せなことだなと実感しました。

野菜作りについての知識を深めるため、農作業など目に見える部分だけにとどまらず、化学の勉強もしていて、土壌や虫食いなどの現象を化学的に解明しようと探求熱心なよっちゃん。楽しそうに話す内容はどんどん専門的になっていきます。興味深い話が沢山ありましたが、完熟した良い堆肥は、人間でも食べられそうな香ばしい匂いがするというのが印象に残りました。農業はまだまだ道半ばと謙遜されていましたが、ある日近所で篤農家と呼ばれる名人から、野菜の美味しさを褒められて、とても嬉しかったそう。

四六時中畑のことを考えているから家庭ではあまり会話がない、と自嘲していましたが、会話する二人の間に確かな絆を感じることが出来て、愛の溢れる家庭であることが言わずと知れました。イベント終了にあたり、「農は愛」と勝手に結論づけてしまいましたが、あながち間違っていないと思います。

世間の騒ぎはどこへやら、イベントが行われたラウンジにはとても調和の取れたいい雰囲気に包まれていて、悩んだ末に開催して良かったなと思いました。ご多忙な中、貴重な時間を設けてくれた柿右衛門農園さん、こんな状況でも参加してくれた皆さまに改めて感謝いたします。

<MASA>