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「夜明け前が一番暗い」と誰かが言っていた。
「明けない夜は無いから」という励ましの言葉も聞いた。
しかしながら亀時間に自家発電の夜明けが来るのは、ずいぶんと時間がかかっている。
あれから3年と3か月が経とうとしているのに・・・。

【コマーシャル】
ゲストハウス亀時間では宿泊だけでなく、
より良い未来を創造するためのヒントを提供したいとの想いから
沢山のイベントを開催しています(キリッ)!
【コマーシャル終わり】


きっかけは2014年5月21日(水)に「誰でも出来る独立型太陽光発電のすすめ」と題した早川寿保さんによる太陽光発電のワークショップを亀時間にて開催したこと。ソーラー発電をどのように作るかを初めて学びました。目の前でランプが光るのを見て、自分で電気を作ることは思ったより簡単なんだ!自分もやるぞ、と決意しました。IYキットの販売もあったのですが、具体的に何を使うために発電するのかという目的が決まらなかったので、購入には至らずに終わりました。

目的は大切です。
それが無ければ僕らはどこに辿り着けばいいのでしょう?
あてのない旅は若い頃だけで十分。
電気の使用目的が決まらないと必要な電力(ワット)も分からず材料が買えません。

早川さんのイベント開催から半年くらい経ったある日、
亀時間スタッフのロミが、迷える子羊に1枚のA4紙を差し伸べました。
それは「これさえあれば自家発電できる、必要な材料とその購入先ウェブサイト情報」。
発電できる電力は20Wと少量ですが1万円あれば全て揃う、という僕の懐にも優しい情報でした。
でも目的が無いとやはり買えないんですよね。
A4の紙は、僕の仕事机の脇にそびえる書類の山の奥深くに埋もれてしまいました。
それから1年半以上の月日が流れた・・・。
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2016年の春、ついに発電の目的が見つかりました。
毎年6月に開催される材木座の例大祭「乱材祭」に合わせて、亀時間の玄関に提灯を吊るすことを決めたのです。
お祭りの提灯の雰囲気って素敵だし、古民家にこそ相応しいじゃないですか。
提灯をソーラーパネルで灯すというのは象徴的でとても良いと考えました。
折角自家発電するなら建物の中で地味に使うより、外に向けてちょっとアピールしたいですから。

そして祭りが終ったら、亀時間自慢の看板を照らそう。
更には、太陽の力で充電したバッテリーを持ち運べるようにしたら、
どこでも使えて便利だね、とこちらの記事で情報を得ました。
軽くて持ち運びのできる“超小型”ソーラーってどう使うの?DIYで“電気”をつくる「藤野電力」佐々木博信さんに聞く …greenz.jp 「わたしたち電力」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にする …

目的が決まったら動きは早いですよ。
書類の山の中から、ロミよりもらった紙を発掘。
6月初めにソーラーパネル、チャージコントローラー、バッテリー、インバーターなど
必要な機材を迷うことなくバシバシと注文。
提灯は材木座商店会を通じて購入。
ランプと配線はインターネットで必要なものを吟味して自力で買い揃えました。
道筋は整ったので、その設置の進捗状況をTwitterにて更新することにしました。
下記はその記録です。

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以上、ツイッターで公開された悲しい失敗の黒歴史でした。
ゴール目前でのズッコケぶりに我ながら笑ってしまいます。

仕方なく、早川さんに連絡を取り、状況説明してアドバイスを仰ぐことにしました。
するとやはりインバーターが壊れているだろうという見立て。
ところがインバーターをヤフオクの中古品で再購入してやり直したものの、
電気は繋がりませんでした。

プツン。
ここで僕のやる気はこと切れました。
中古だから不良品だったのか、接続のどこかが悪いのか。
原因が分・か・ら・な・い。
テスターを購入したものの、使わずにお蔵入り。
そしてやはり僕は理系脳ではないなと自覚。
何度勉強してもアンペアとかワットとか頭に入らないし、そこに興味が無いんです。
パソコンは便利で使いますけど、パソコンがどうやって動くかには関心が無いのと一緒です。

マラソン競争、ゴール目前で倒れこんだマサ選手、このままリタイアか?
と思われましたが、彼の脳裏にはこれまでに投資した1万円以上の
機材を無駄には出来ない、という使命のようなものが最後に残っていました。

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運命は僕を見放しませんでした。
ヨルカメで美味しい料理を提供いただいている香菜軒さんの紹介で、
2016年10月6日に21世紀のヒッピー、テンダーのスライド&トークショー
「明るい未来を描くチカラ~持続可能なライフスタイルを探る旅~」を亀時間で開催したのです。

テンダー氏は鹿児島での電気・水道・ガス契約ナシの年間家賃1万円生活を送り、
太陽光発電の本の自主出版、それらの講演活動などで活躍中。
彼と会って再び刺激を受けました。
簡単な自家発電のやり方を説明したテンダー氏の本をその日に購入。
しかしながら、買って安心して本棚に陳列されたまま塩漬けとなりました。
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それから半年以上たった頃、読まずにいたその本をふと開いたのでした。
読んで得た大切な学びは「ソーラーパネルの電気は直流の電気だから
できればインバーターで変換せずに直流のまま使ったほうが効率が良い」ということ。

これまではインバーターありきで全てを考えていました。
だって全ての設計図にはインバーターが必要機材として載っていたから。
でもモバイルに電気を持ち運ぶことを諦めて、
看板を照らす電球のためだけに使うならば、
再度数千円を出してインバーターを買うよりも、
それを使わずに直流で効率良く電気を使えばいいじゃないか!
というコロンブスの卵的な転換の発想が浮かんだのです。
すると不思議なことに関係ない買い物をネット上でしていたら、
直流電気用の電球がパソコン画面に登場。
ためらうことなく反射的にポチッと買いました。

ついにゴールは見えた。
闇夜の東の空に光が差した、気がしました。
あとは機材を繋ぎなおすだけ。
そしてぬか喜びしてそのまま放置しました・・・ズルっ。

忙しかったんです、いろいろと。
家庭と仕事、ライフワークバランス。
自家発電も亀時間の仕事のうちですけど優先順位はかなり低い。
僕のモチベーションは更に低い。
怪しいそうなサイトから安い電球を買って、
中国からの発送だったので何週間も届かなかったことも理由のひとつ。

忘れた頃に電球が届いたので気を取り直し、8月の半ばこのブログ文章から先に書き始めました。
捕らぬ狸の皮算用です。そして、過去を振り返ってみると早川さんのイベントで自家発電を思い立った
2014年5月21日から3年3か月が経とうとしていることに気が付いたのです。
ついでに3日を付け足してゴールは2017年8月24日に設定されました!
「明かりが点いた!おめでとうございます!!」と設置完了した様子を脳内でイメージ、
己を鼓舞してついに重い腰を上げました。

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接続されぬままに1年放置されたソーラーパネルは、
ご覧の通り太陽に対して30度の最適角度を完全に失い、荒れた逆ハング状態。
コネクターの穴には蜘蛛が巣を作っていました(笑)。

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ソーラーパネルをしっかりと再設置。

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全てを接続するとチャージコントローラーの明かりが全て点灯!
いい感じです。

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2014年の自家発電ワークショップから3年3か月3日が経ったこの日、
亀時間に自家発電の明かりが灯りました!
点灯式は午後3時33分33秒に執り行われるはずだったのですが、
うかうかしているうちに時間が過ぎてしまったことはご愛敬。

こちら自家発電設備設置マラソンを完走したマサ選手のインタビューです。
頭の中で声にエコーかけて読んでください。

インタビュアー「フルマラソンのように長い道のりでした」
マサ選手「そうですね、最初は簡単だと思ったけどやっぱり自分でやろうとすると難しかったです」。
インタビュアー「何度も挫折しかけましたね」
マサ選手「もう少しで完成というときに失敗したりして、何度もやる気をなくしました。」
インタビュアー「それでも諦めなかった理由は何でしょう?」
マサ選手「やっぱりお金ですかね。もったいないでしょう、使わなかったら。経費に計上しちゃってますし」
インタビュアー「この思いを誰に伝えたいですか?」
マサ選手「この世界のどこかで自家発電しようと孤軍奮闘している人たちに、諦めずにやればできるって伝えたいです」
インタビュアー「この3年3か月と3日で学んだことは何でしょうか?」
マサ選手「人間は苦手なことに時間を浪費するのではなく、得意なことやったほうがいいということです。」
インタビュアー「マサ選手にとって得意なことは何でしょうか?」
マサ選手「大したことない出来事を大げさに文章で表現するとか」
インタビュアー「まさにこのブログのことですね。自家発電はこの文章から受ける印象よりも実際はずっと簡単です。以上、最後まで読んでくれたみなさま、どうも本当にお疲れ様でした。」

<MASA>