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今年の9月、亀時間を卒業してすぐにイタリアで行われた食の祭典「テッラマードレTerra Madre2018」に参加してきた元宿直スタッフのあゆちゃん。鎌倉滞在中はバイト先の人たちと仲良くしたり、英語は初心者でもタイ料理教室イベントでやってきたヤオさんと仲良くなったりと、明るい性格とキャラ立ちがしてみんなに可愛がられていました。初の海外イタリアでどのような体験をしてきたのでしょうか。三重の実家に帰省中にパソコンを通じてインタビューさせてもらいました。

マサ(以下マ)「あゆちゃん、お帰りなさい!」

あゆちゃん(以下あ)「ただいまです!」

マ「今回初めての海外だったと思うけどトラブルは無かったですか?」

あ「行きの飛行機は香港経由のはずだったのになぜか台湾経由になってびっくりしたんですけど、
無事にイタリアに着きました。トラブルはそれくらいで問題無かったです。」

マ「『テッラマードレ』(terra madre)とはどんなイベントなんですか?」

あ「2年に1度イタリアのトリノで開かれている世界最大規模の食の祭典です。今年は9月20日~24日に開催、総来場者数は100万人を超えたそうです。期間中には世界150ヶ国から多数の先住民族や生産者、シェフが集まり様々なイベントやワークショップが行われました。今回のテーマは『Change your Food – あなたの食べ物に変化を』でした。『食品ロスの無い食』『肉の消費を抑える食』『カーボンフットプリントの少ない食』などスローフードが扱ってきたテーマを主に、より持続可能な食を提案していました。」

マ「テッラマードレに行くことになったきっかけを教えてください。」

あ「将来食に関わる仕事を地元でやりたいと漠然と考えていました。地元の三重県に日本スローフード協会の代表理事の方がいらっしゃって、亀時間勤務中に一時帰省した際に知人を通じてお会いしました。その際にイベントのことを聞き興味を持ち、ボランティアスタッフとして参加させて頂きました。」

マ「現地ではどのような活動をしたのですか?」

あ「現地に7泊滞在してイベント参加への準備から終了まで関わりました。主にスローフード協会ユースの方々と一緒に、日本のスローフードブースで提供する手まり寿司、お味噌汁など食材の買い出しと調理補助をさせてもらい、その他に講義やワークショップへの参加、会場をくまなく見て沢山の方々と交流をはかりました。
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また9月24日にはジャパンブースで90分のワークショップを開催して日本のお茶を紹介しました。私が日本語で話したことをスタッフが英語に訳してくれて。

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マ「お茶の紹介とは具体的にどんなことをしたんですか?」

あ「お茶の基礎知識、歴史から、お茶の作法までを伝えた後、参加者が自ら煎茶、玉露、ほうじ茶、玄米茶を淹れて試飲する体験をしてもらいました。参加者は最初ぎこちなかった手つきが徐々に慣れていき、 自由に味わい、楽しく歓談していました。またお茶菓子として日本とイタリアを感じられるものを2種類、こしあんを載せた抹茶団子と煎茶を牛乳で煮だしたブラマンジェを作り、更に玄米茶に合うようにと三重県多気町名産の椎茸せんべいなどの乾き物も用意しました。餡子はイタリアで受け入れられるか不安だったのですがお団子も人気でしたし、イタリアのおばあちゃんがブラマンジェのレシピを教えて欲しいと、レクチャーの片付けをずっと待っていてくれて。ほうじ茶が香りが良いので海外では人気という話を事前に聞いていましたが、意外に玉露が反応が良かったです。
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マ「しっかりとしたお茶の知識が必要ですね。勉強はいつしたんですか?」

あ「今回、お茶は三重県多気郡多気町にある川原製茶様のお茶を使用しました。限られた時間の中で大変でしたが、川原様の全面的なご協力のもと、茶の指導から、浴衣を着た方が良いと、浴衣の着付けまで教えて頂きました。浴衣を着てワークショップの宣伝をした効果もあり、最終的に19人が参加してくれました。」

マ「実際に自分で紹介することで沢山の学びがあったでしょうね。今回イベントに参加してどのような感触を得ましたか?」

あ「会場は活気で溢れており多様な人々の交流の場でした。販売をする生産者自身が場を楽しみ、商品に自信をもって勧めていたのが印象に残りました。来場するお客さんも生産者との対話しつつ、友人や家族と楽しい時間を過ごしており、会場内の雰囲気がとても居心地良く感じました。
あと、浴衣がコミュニケーションツールとして大活躍してくれたことに驚きました。浴衣を着ていると海外の方の反応が凄く良くて、ワークショップ以外でも沢山声を掛けてもらえて、交流が盛り上がって楽しかったです。中でもブルガリアでゲストハウスをやっているというお母さんとも出会って仲良くなりました。ブースに連れていってくれて、一緒に踊ったり、沢山写真を撮りました。お土産に豚の塩漬けやバラの香水までプレゼントしてくれて、英語の知識が無くとも伝えたい気持ちがあればコミュニケーションが取れて、楽しく嬉しい気持ちになれたのは大きな発見でした。
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同時にカンファレンスに参加しても内容を理解できない事や、出会った方や生産者さんと深く話せなかった事がとても悔やまれました。2年後にまたテッラマードレに参加できるように英語を学び、なおかつお茶、着付けなど日本文化を身に付けてコミュニケーションしたいという具体的な目標ができました。スローフード協会ユースの人たちは自分と同世代の学生が多かったのですが、建築の世界からスローフードの世界に入ってきた女の子、バリバリ仕事をしている女の子もいて、彼らからも良い刺激を受けて更にやる気が出ました。」

マ「もちろん海外では英語が話せたほうが深くまで語り合えていいのだけど、コミュニケーションは言葉だけではないことを身をもって体験したんですね。服もコミュニケーションツールの一つであるというのは普段無意識だけど海外に行ったからこその発見ですね。イベントに参加してスローフードへの関心は深まりましたか?」

あ「テッラ・マードレへの参加、ワークショップの準備や会場で体感した事すべてを通して出てきたのは、『美味しい』という感情はその食べ物自体の魅力の他に、誰が作ったか、 どのような気持ちを込めて作られているか、どんな空間で食べているかなど様々な要素が集合したものなんじゃないかという気づきです。生産者と会い、話し、込められた気持ちを知った後に頂くものは丁寧に接したくなり、美味しい上に元気をもらえるように感じました。 大量生産・大量消費、時間の無い中でお腹を満たすための食事は意識をしないと通り過ぎてしまいます。『人は自分の食べているもので形成されている』という言葉の『食べている』の中には食べ物の他に時間の積み重なりも含まれ、その重なりがその人を作っていくと感じます。自分で作物を育てる事は「心がこもる」に直結すると思いますし、 作れなくとも、生産者さんの気持ちを知った上で購入することは丁寧に美味しく食べきる、自然と良い時間が積み重なっていくのだと思います。 食に対して他人事に感じなくなり、食に関する問題解消にも繋がると感じました。」

マ「深い学びですね。初の海外でしたがイタリアはどんな国でしたか?」

あ「イベントでの仕事で忙しく、イタリア自体を楽しむ時間はあまりなかったのですが、早く終わった日にはユースのみんなで会場内の飲食ブースや近くのお店に行き、色々なご飯を食べ、沢山お話ができた時間がとても良かったです。帰国前日にケバブ屋で出会ったイタリア人の方々など思いがけない出会いもあり、とても楽しく刺激的な日々でした。」
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マ「最後に今後の予定を教えてください。」

あ「現在、三重の多気町で暮らしながら、日本スローフード協会のサポートスタッフとして働いています。まずは仕事の中でスローフードへの学びを深めていきたいです。仕事の合間で自分で作ったお菓子を人に提供するような活動もしていきたいです。」

漠然と食に関わる仕事を地元でやっていきたいと考えていたあゆちゃん。イタリアで沢山の刺激をもらって、その方向性がよりはっきりしてきたようです。まだまだ磨かれることを待っている原石かもしれませんが、どこに行っても周りの人たちに気に入られて仲良くなれるのは彼女の天賦の才能です。これからしっかりと経験を積んでいけば、必ず自分のやりたい舞台で活躍できることでしょう。彼女の地元三重での地に足のついた活動を引き続き見守っていきたいと思います。

<MASA>