昨年11月にインドへ旅立った亀時間の元ボランティア女将こと「すずまゆ」。
女性による持続可能な社会づくりへの取り組みとして世界中から注目を集めるNGO「裸足の大学」を
インドはラージャスタン地方へ先月訪問した模様をインド特派員として報告します。

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友達から紹介してもらって見たTEDの番組がとても面白くてインドに行ったら訪ねてみたいなと思っていた『裸足の大学』。

 デリーから電車に乗って5時間、そこからリキシャに乗り換えて1時間。ここにあるのかなとちょっと心配になるくらい何もなさそうな村に到着。インド西部ラージャスタン地方のティロニアという村で41年前に始まったのが裸足の大学(Barefoot College)です。大学生だったバンカーロイさんがインドの飢饉でショックを受け、貧しい人のための大学を作りたいと思って始まった学校。面白いことに、普通の大学と違って修了証は出ません。教える人は学ぶ人でもあり、学ぶ人は教える人。村の伝統的な技術や知恵を大事にし、シンプルな技術で村が抱えている問題を解決しようとしています。そして何よりもガンジーさんの精神を受け継いでいる大学というのがユニーク。インドや貧しい国のおばあちゃん達を訓練して太陽光発電のエンジニアを育てています。


 大学の入り口はドーム型の建物。ここで受付をしてキャンパスツアーに出発。働いている人も障害を持っている人が多いです。笑顔が素敵なお兄ちゃんが説明してくれました。なんと、キャンパスの電気は全て太陽光発電でまかなわれているということ。確かに見上げてみると屋根のあちこちにパネルが設置されています。

 こちらはビジター用の宿泊施設。お部屋もシンプルだけ心地良し。太陽光で暖められたお湯を使うことができます。キャンパスも全て自分たちで作っているというから驚きです。今でも建設工事は続いています。

 太陽光発電のワークショップをしている所をのぞかせてもらいました。女性達が賑やかにわいわい言いながらやっています。半年間の研修で、ソーラーエンジニアを育成中です。私が見学した時は中南米、アフリカ、インドネシアなど17カ国から37人の女性達が来ていました。文字も読めない人たちもいるけれど、サインランゲージで教えて、半年後にはソーラーエンジニアになってしまうというのです。


 こちらが完成品。ハンダ付けもやっていました!


 これは何でしょう?

 答えは太陽光調理器具。通称ソーラークッカー。裸足の大学では料理が全てこのソーラークッカーで調理されています。後ろに時計がついていて、朝一度セットすれば、自動操作。この製造を行うのも女性達。鉄の金属加工は精密さが求められますが、それもこなしてしまいます。鏡が300枚はめ込まれていて、近くに寄ると結構熱い。20リットルのお湯も1時間で沸いてしまうそうです。


 ソーラークッカーで調理されたご飯。大学には食堂があり、セルフサービスでご飯をよそいます。床に座って食べ、食後は自分で、食器を洗って戻します。カレーとチャパティとお野菜が美味しかった。


 ちょうど、見学に行った日にアフリカのザンジバルから大臣さんが来られていました。大学内は朝からみんなあたふた。軍服の男性の左が創始者のバンカーロイさん。大学の敷地をうろうろしていたら、幸運にもロイさんの奥さんと、その妹さんに遭遇しお話を伺うことができました。

 始めたばかりは何もなく、村の人と信頼関係を築くのがとても大変だったこと。女性達が以前はこそこそ声でしか話さなかったのが、今では堂々と自信を持って変わったこと。「こんな風になるなんて想像もできなかったけれどね。」と、穏やかな笑顔で話してくれました。

 40年前に彼らが蒔いた種がこんなに花開いている光景を目の前にして、胸がいっぱいに。『答えは外ではなく、内にあるということ。』インドの小さな村で始まった裸足の大学は今抱えている問題にどう取り組めばいいのかたくさんのヒントを教えてくれているような気がしました。

<SUZUMAYU>

●TEDの動画はこちら
http://youtu.be/6qqqVwM6bMM
●裸足の大学HPはこちら
http://www.barefootcollege.org/