これが渋谷駅前にそびえる噂のビル、ヒカリエ。

5月24日の日曜日、渋谷のヒカリエにて3日間行われたゲストハウスサミットの二日目『地域の仕掛け人、ゲストハウスオーナー達が語る「なぜ今、地域文化が熱いのか」』 に登壇者の一人として参加してきました。最初にお話をいただいたときは、ヒカリエってオシャレなデパートらしいけどまだ行ったこと無いなとか、3000円の入場料を出してオーナーの話を聞きたい人がどれだけいるのだろう?という疑問符が浮かんでしまいました。ところが蓋を開けてみれば、100名の席は予約で埋まってしまい、立ち見50人も完売。最終的に160人ものお客様がヒカリエのイベント会場にきてくれました。参加したゲストハウスのオーナーは今回イベントを主催された有鄰庵の中村さん、徳島の空音遊ののりさん、長野の地球宿の望さん、熊本の阿蘇び心のじゃけんさん、そして亀時間の僕。


左からじゃけんさん、中村さん、のりさん、望さん、司会のFoot printsダリさん。

それぞれの宿の紹介からイベントはスタート。一人5分という設定だったのにみんな余裕で時間オーバーして喋り倒し(笑)。
30分以上スケジュールが押してしまいどうなることかと思いましたが、テーマをいただいてのクロストークあたりからだんだんみんなの足並みが揃ってきました。

じゃけんさんはもともと添乗員を10年やっていただけあって、お客さんとのやりとりを交えてのお話がとても上手。会場を笑わせて帰る!と開始前に語っていたことをしっかり実践されていました。現在はJR九州が誇るクルーズトレイン「ななつ星in九州」のガイドも務めていらっしゃるそう。
長野の地球宿は宿としての懐がとても広くて深さに圧倒されました。農業体験の出来る宿としては知っていましたが、不登校高校生の受け入れや、なんとお産ステイまで受けていれているとか。更には現在では市会議員に当選し、兼業で地元を良くしようと精力的に活動しています。
有鄰庵の中村さんは好奇心と仕事を楽しむ才能にずば抜けており、仕事が面白いから休む必要もないのだとか。宿だけでなく学校の講師を務めたり、無人島を面白くするプランを企んだり本当に仕事が楽しそう。
空音遊ののりさんは徳島の祖谷という秘境で、マクロビの美味しいご飯を提供する宿をやり人気を博しています。宿をやっている人達がこっそり訪れる宿だという話に宿の素晴らしさが証明されていると感じました。更には宿だけでなく空き店舗再生事業も行っています。

Iターンでゲストハウスを開いた二人、じゃけんさんとのりさんにどうやって新天地に溶け込んだのかを質問してみたところ、じゃけんさんはご近所さん全員にしっかりプレゼンして信頼を得た一方、のりさんは特別なことは敢えてせず3年真面目に住んだという対照的な答えが帰ってきました。正解は一つでなくそれぞれの個性と土地の性格によって幾つもあるということですね。

ゲストハウスを取り巻く地域文化という物理的テーマから始まりましたが、一見クールな印象をたたえた空音遊ののりさんが「心」について、つまり精神的な話を切り出したあたりから、みんなの語る言葉に熱が帯びてきました。どうしたらいい宿が作れるのか、という質問に「デザインがオシャレ」、「ウェブサイトが見やすい」などお金さえあれば簡単に実現できる答えもありますが、「熱い心を持つ」ということはとても大切、でも一朝一夕に身につくものではありません。今回の参加者のオーナーさんたちの熱意の温度はとてつもなく高く、一歩抜きに出るような宿になるにはこのような熱意が必要だということを物語っており、みんな好きな仕事だからこそ一生懸命になれるということを話していました。

有鄰庵の中村さんが、もともとこのイベントを開催しようと思ったのは、ゲストハウスが全国に増えてきて、流れに乗るだけで中身の伴わない宿が乱立することで、一過性のブームで終わってしまうことを危惧してのこと。ゲストハウス開業合宿も同時開催していましたが、せっかく開業するなら繋がりたいと思う素敵な宿になって欲しいからという想いを語ってくれました。

イベントは2時間半という長丁場だったのですがあっという間に終了。振り返って印象的だったのはオーナー5人がそれぞれ個性は違うけど、根っこの部分が共有できているせいか、お互いを尊重しつつも、自由闊達に意見交換ができたこと。それぞれの感性、情熱で自分たちの場所を創りあげているということがありありと伝わってきたこと。僕自身も普段会えないオーナーさんたちと交流できてとても良い刺激になりました。

そして、「日本のゲストハウス=ラーメン説」をここで唱えたいと思います。ただお客様を泊めるだけでなく、地域と繫がりながら、個性を出してお客様にもプラスアルファの体験を提供するゲストハウスという存在は、もはや世界のスタンダードを超えて日本独自に発展してきており、「ゲストハウス文化」として確立されつつあるのではないでしょうか。それはあたかも中国文化であった中華そばが、日本の風土で独自に発展し、「Rahmen」として世界に輸出されている様を想起させます。

会場には20代の若者でゲストハウスを将来やりたい、興味を持っているという人が多くいました。彼らがそれぞれの感性で地域と旅人をつなげるゲストハウスを全国で始めたら、日本の魅力は更に増し、世界で脚光を浴びる存在になることでしょう。

最後に参加オーナーたちのゲストハウスのリンクをご紹介。

岡山倉敷 有鄰庵 http://u-rin.com/  
徳島祖谷 空音遊 http://www.k-n-a.com/
長野安曇野 地球宿 http://chikyuyado.com/
熊本・阿蘇 阿蘇び心 http://www.aso.ne.jp/asobi-gokoro/

このような機会を作るため、開催に尽力されたスタッフの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

<MASA>