Twitterにて7月7日に、材木座海岸に海亀が漂着したことを報告したところ、
神奈川の海岸漂着物を調査しているMasayuki Ishii氏から
貴重な情報をいただきました。

僕が発見した同日の夕方にIshii氏が現地にて解剖検査したところ、
成熟したメスのアカウミガメで、
不幸中の幸いというべきか非繁殖期だったとのことです。
死因は不明ですが、定置網にひっかかり捨てられてしまうことがよくあるとのこと。
人間と野生動物の住む世界の境界線で不可避的に発生してしまう問題です。

亀のことが気になってIshii氏のホームページScience at seaを覗いてみると、
漂着する海亀はとても多いことが判明。
鎌倉だけでもこの1ヶ月で8匹もの亀が打ち上げられていました。
神奈川の相模湾沿岸では、1ヶ月で19件。
これはIshii氏が調査しただけなので、
実際にはもっと多くの亀が相模湾の沿岸で、長い一生を終えていることでしょう。

海亀の生態はまだ謎の部分が多いそうですが、追跡調査により少しずつ
行動が分かってきました。
本州における産卵場所としては妊婦亀たちに絶大な人気を誇る和歌山県みなべ町のHPによると、
日本の太平洋沿岸の砂浜で孵化した赤ちゃんたちは
2,3年をかけて約一万キロ離れたメキシコやアメリカ西海岸まで旅をして、
20年くらい滞在して成長した後に、
東シナ海に回遊し、再び産卵の為に日本まで集団で泳いでやってくるそうです。

5月に書いたブログ記事にあった、
日本からカナダのハイダグワイ島に漂着したガラス玉と同様に、
海亀たちも本能に従い、黒潮に乗って太平洋の向こう側まで旅して、
再び海流に乗って帰ってくるのでしょう。
海亀は広大な太平洋を旅するノマド(遊牧民)なのです。

※2011/7/11文章訂正