先週末、2012年1月14日、15日に、パシフィコ横浜において
「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」が開かれました。
日本の主要新聞は取り扱いが低かったようですが、
約30カ国から専門家や脱原発を求めて活動している団体が集まり、
延参加人数は12000人と大成功を収めました。

会議に台湾から、綠色公民行動聯盟(Green Citizens’ Action Alliance)
http://www.gcaa.org.tw/の代表として参加したアヤさん。
出会った日本人に会議終了後、
「少しゆっくり滞在したいんだけど、どこがいいかしら?」
と尋ねて、返ってきた答えが鎌倉でした。

ふらりと鎌倉駅に降り立ち、駅前の観光案内所で宿泊先を探して、
選んでくれたのが亀時間。一泊のつもりが、鎌倉を気に入って二泊してくれました。

ゆっくり話す時間があったので、
台湾から3・11後の日本の状況はどう見えるのか、
台湾の原発事情など、いろいろと聞いてみました。

アヤさんは長い髪が綺麗な美人なのですが、
シャイなので顔写真はNGとのこと。
後ろ姿だけ撮らせてもらいました。

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脱原発の活動に関わったきっかけは何ですか?

アヤ『私は台湾で生まれ育ちましたが、イギリスに留学して、
  その後中国で環境保護活動をしていました。
  台湾にもっと関わりたいと思い帰国して、
  知り合いに誘われてボランティアとして
  脱原発の活動グループ綠色公民行動聯盟に加わったのが始まりです。
  正式なスタッフとなったのは、昨年の3月11日。
  福島で原発事故が発生したのを受けて、日本からの情報を台湾に伝えるべく、
  情報収集と広報をウェブ上でリアルタイムで伝えていく仕事を
  することになりました。
  以降、福島をテコに台湾の脱原発運動を促進すべく、
  台湾国内でデモの企画や住民への情報提供など忙しく動いています。』
 
今回は会議の為に日本に来たのですか?

アヤ『私の所属する綠色公民行動聯盟が今回の会議に招聘されて来日しました。
   ただし、ちょうど台湾の大統領選挙投票日に重なったので、
   台湾からの参加者は、残念ながら私と同僚の二人だけです。
   他の仲間も参加したい気持ちはあったのですが、投票に行くほうを選びました。』

自分たちの国の方向を決める選挙ですから、そっちも大事ですよね。
今回の会議に参加してみてどのような感想を持ちましたか?

アヤ『多くの日本の市民団体が共同企画したそうですが、
   とてもよく運営されていることに、私を含め海外から賞賛の声が上がって
   いました。多くのワークショップ、会議、展示が同時進行で行われていて、
   二日間はあっという間に過ぎて行きました。

   今回の会議では、世界で活動するグループの連帯の必要性が確認されました。
   各国の事情はそれぞれですが、連携していくことで運動を大きくしていけば、
   私達の声が世界の原発政策に影響を及ぼすことができるだろうと思います。
   今度の3月11日は世界各国でデモや様々なイベントが同時開催されます。

   また今回は、主催者の計らいで、私たち海外のNGOグループは
   福島県南相馬市の現地視察も行いました。
   福島第一原発から20kmの立入禁止区域にも行き、
   仮設住宅で避難生活を送っている人たちにもお会いできました。
   牛乳が汚染されたために自殺してしまった酪農家の遺書を読んだのですが、
   大変ショックを受けました。避難されている方たちは我々に涙を流しながら、
   助けを求めていました。
   海外からの圧力を強めて日本政府の方針を変えて欲しいと。』

その実体験は強烈ですね。
立ち入り禁止区域のそばは放射線量も高いと思いますが、
訪問することにためらいはありませんでしたか?

アヤ『正直なところ、最初は怖かったです。
   でも現地で暮らしている人達のことを考えれば、
   数日の滞在で心配してられないと覚悟を決めました。』

脱原発の活動をしているということですが、台湾には原発はあるんですか?

アヤ『現在稼動している原発は合計三機、台北の比較的近くに二機、
   南に一機あります。
   既に稼働している原発に対しても、反対者は多かったのですが、
   当時は独裁的政権の時代だったので、大きな運動も出来ず
   建設を阻止することはできませんでした。』

現在はどのような活動をしていますか?

アヤ『基本的に全ての原発が無くなって欲しいのですが、
   現在稼働している三機は40年という寿命があるので、
   そのうち廃炉になるだろうと。実は四機目の原発が
   台湾北部の台北県貢寮郷の海岸に建設中で、
   これを止めることに集中しています。
   ほとんど出来上がっていて、今年には稼働しようとしているのですが。
   この原子炉は日本からの輸出なんですけど知っていましたか?』

日本製の原発だとは知りませんでした。
先日ベトナムへの原発輸出について国会で議論がありましたが、
既に先例があったのですね。

写真を見ましたが、貢寮は美しい海に面した街ですねえ。
瀬戸内の上関原発予定地を彷彿とさせますね。

アヤ『粘り強い反対運動が続いていますが、建設を止めるのは簡単ではありません。
   先程も言いましたが、つい先週末に台湾では大統領選挙があり、
   現政権が勝利を収めました。
   つまり、政府の原発政策は推進されていくということなので、
   今後より厳しい戦いになるだろうと予測しています。
   大統領はもし原発が無くなると経済が立ち行かなくなると言い、
   国民に受け入れるよう説得しているのですが。』

日本でも同じこと言っていますよ。日本の場合は無くても電気が不足しないのは、
昨年の実績と現在稼働している原発の数を見ても明らかなのですが・・・。

アヤ『台湾も原発が無くたってやっていけるんです。
   政府は嘘を言っているのです。』

それでは最後に、今後の活動と展望を教えて下さい。

アヤ『早くこの活動を終わらせたいです!(笑)
   原発の危険性が福島で誰の目にも明らかになったので、
   これを大きな転機として台湾を非核国家にしていきたいです。
   人間は忘れやすい生き物ですから、今、福島の記憶に新しいうちに
   変化を起こさないといけません。
   そういう意味で残された時間は少ないと感じています。』
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台湾人はとても親日なのに、政治的理由からか、
テレビ、新聞からはあまり台湾の情報が入ってきません。
東日本大震災でも200億円という世界で一番多くの義援金を送ってきたのは
台湾人なのです。アヤさんと話してみて、感覚的に近いものを感じ、
僕も親近感を覚えました。

彼女は「こんにちは貢寮」というタイトルのドキュメンタリーを
亀時間に残して行きました。
これは台湾で現在建設中の第四原発に反対する現地の人達の記録です。
http://www.selectourfuture.org/gongliao/

早速見てみましたが、景色も日本に似ており、
ねばり強く反対運動を続ける貢寮の人々は、
上関原発建設に長年反対している祝島の人達を彷彿とさせます。
どの国でも国家政策の被害者は現地の人々であるということが良く分かります。
日本語字幕付きなので、興味ある人はスタッフに声をかけてくださいね。

http://youtu.be/IgNjiQSD7vQ
こちらは3.11以降に貢寮の人々にインタビューした字幕付き動画です。

<MASA>